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  • 仮面ライダー 第1話「怪奇蜘蛛男」

     これ、初めて視聴したのはニコニコ動画で無料配信が行われた時期で、この記事を書いている現在からすると、もうかなり前なんですがね。数年経っても記憶に残っているシーンというものがあるわけですが、主人公となる本郷猛は、改造人間になる前から勇敢かつ勇猛な一面の持ち主に思えます。
     
     

     
     
     オートバイレースの練習最中、後ろから追いかけて来る謎のグループ。
     これを見ての本郷の台詞が「見たことのないグループだが、俺に挑戦する気だな?」なのである。
     
     

     
     
     そこからの、「何故あんな真似をしたのか突き止めてやる!」である。
     もうこの時点から、後々ヒーローとして戦っていく前兆ともいうべき、勇敢なる一面が見え隠れしている。
     見え隠れしてるんだけど、ここで後を追ったがためにショッカーに捕まり、改造手術を受けることになってしまう。しかし、たとえ追わなかったとしても、怪人・蜘蛛男が茂みの中から覗き見て、本郷のことを狙っている描写があった。タイムマシンでも使って、歴史を変えようとばかりに「突き止めてやる!」の部分を阻止しても、また別の場所でショッカーに捕まるような気がしますね。
     
     

     
     
    ナレーター「本郷猛の耳にしたショッカー。
          それは、世界のあらゆるところに網が張られる悪の組織なのだ。
          本郷猛は何故か、日本の人里離れた秘密基地に運び込まれた。
          ショッカーの狙いは、世界各国の人間を改造し、その意のままに動かして、
          世界征服を計画する恐るべき団体なのである」
     
     
     
     
     
     
     
     
     団体
     
     
     
     
     
     
     
     団体ですか。
     
     
     
     
     で、次の台詞も何故か強烈なまでに記憶に刻み込まれている。
     本当に「何故か」刻み込まれているのである。
     
     

     
     
    本郷「馬鹿な!俺はショッカーに入ったつもりはない!」
    首領「遅いのだ本郷。君の意志に関わらず、君は既にショッカーの一員にほぼなってしまっているのだ
    (中略)
    本郷「死んでも、貴様の思い通りの人間になるものか!」
    科学者「誰しもが始めはそう思う!そしてやがてショッカーの一員であることに感謝するようになる!」

     
     
     
     ほぼ? ほぼなのね。
     確かに、この時点では肉体の改造のみで、脳改造は終わっていない。
     そう、確かに、「ほぼ」なってしまっているのだ。
     
     
     
     ところで、この台詞、改変したくなりません?
     
     
    「馬鹿な!俺はオタクに染まったるもりはない!」
    「遅いのだ。君は既にアニオタにほぼなってしまっているのだ」
    「死んでも、貴様の思い通りの人間になるものか!」
    「誰しもが始めはそう思う!そしてやがて信者の一員であることに感謝するようになる!」
     
     
     
     一旦ネタはこれくらいにして。
     突如として基地内に起こる異常、そして現れる緑川博士。
     ここからさらに話は動き出し、まずはショッカー基地から脱出する。
     
     

     
     
    「んほんごうくん♥ ほんごぉぉくぅぅぅん♥ んほおおんごうくぅん♥ んぅはっ」
    (実際そういう感じに聞こえます)
     
     
     
     
     
     
     
     脱出・逃亡の最中に攻撃を受け、このままでは再び捕まり、基地に連れ戻されてしまう。そんなピンチのおり、本郷猛はライダーとなって、凜然と崖の上に立っていた。
     この頃はスーツアクターという概念がなかったらしく、だから中身は藤岡弘本人。
     バラエティだったかで、歴代ライダー紹介コーナーのゲストに呼ばれた時、覗き穴になってる部分が自分自身の息で曇ると言っていましたね。現在なら曇らない素材で出来ていたりするのでしょうか。
     アクションはキレッキレッ、大野剣友会の立ち回りは見応えがあり、実際に武術をやっているという藤岡弘の動きもなかなか凄い感じに見える。あの感じをどう言葉にしたものか、とにかくなんか凄い感じ。
     
     

     
     
     緑川博士はそれまでショッカーの科学者だった。
     それを裏切り、追われる身となった博士は苦悩する。本当にこれでよかったのだろうか。追われ、狙われの身とあっては、たとえ裏切る時は正しい行動を取ったつもりでも、いざ己の身に降りかかったリスクを前に、やはり後悔してしまう。ここで嘆きを見せる緑川博士の心境は、そんなところなのでしょうか。
     
    本郷「落ち着いて下さい。先生の取った行動は正しいんです」

     え? 格好良くない?
     旧1号編の本郷は何故かナイーブであるように言われているというか、なんというか、そう評している書き込みやらをネットで見かけたことがあるわけですが。
     
     
    本郷「ショッカーの恐るべき陰謀を全世界に訴える先生はただ一人の証人ではありませんか!」
     
     
    本郷「及ばずながら、私も全力を尽くして、人間の自由のために戦います!」
     
     
     こんなことが言える本郷を『漢』と評さずしてなんとするか。
     しかし、この緑川博士は死亡して、あまりにも悪い形でそれを目撃してしまった娘・ルリ子は、本郷こそが博士を殺した犯人だと誤解してしまう。改造された悲劇、ヒロインから受ける誤解。こうした要素をたった1話目の中に詰め込んで、見応えあるアクションまで加えた第1話は、やっぱり言うまでもない傑作!
     初代ライダーは全98話と長いため、古くて話数も多いというハードルのためか、なかなか見ようとしない特ヲタって多いと思うんですが、ライダーが好きならせめて第1話だけでも見て欲しい。
     これぞ原点。
     素晴らしい脚本でした。